ご無沙汰していましたが、久々に更新。

ここ最近、KDPセレクトの無料キャンペーンが今まで以上の盛りあがりを見せたり、一方では作品の大部分を公開する趣旨のプレビューサイトが立ちあがったりして、なんだか動きがダイナミックになってきた感があります。
無料キャンペーンはいまや有効手段から常套手段になりつつあって、この先必須手段になる可能性を多分にはらんでいます。

これが「Kindle盛りあがってきた!」なのか「歯止めのきかない価格破壊スパイラル」なのかは、見る人によって答えが変わると思います。
Kindleが普及していくほど、「無料だから落とす」「無料でしか落とさない」という人はどんどん増えていくでしょうし、少数とはいえ「有料でも面白そうなら買ってみる」という人も増えていく。
とにかく自分の書いたものをたくさんの人に見てもらいたい、という目的であれば、現状ほかのどんな配布サイトよりKindleの無料キャンペーンは最強でしょう。
多くの人に見てもらえば感想に触れる機会も増えるし、ほかに著書があれば宣伝にもなります。

一方で欠点というか、どうしてもついてまわるのが、そのぶん心ないレビューがつく可能性が高まるというリスク。

ここでいう欠点とは、「多くの人の目に触れたから」ではなく、「無料だからこそ」のリスクを指します。
通常、本を買うときはそれが自分に合う内容かどうかを吟味し、評判を調べたり、あるいはパラパラと立ち読みしてみて、対価を支払うことに納得してから買います。

しかし、無料キャンペーンは違います。
いってみれば、「お代はいりませんので読んでみてください」と押しつけるかっこうになっていて、そこには需給関係が必ずしも成り立っていません。
通販に興味のない人が、ニッセンのカタログを「まあ、無料だから暇つぶしにもらっとくか」という感覚で持って帰るようなものでしょうか。
試しに読んでみて、「欲しいものが載ってなかった」「もともと読みたかったわけじゃない」「時間を無駄にした」と感じた人の一部は、それを雑に扱うことを躊躇しないでしょうし、辛口なレビューを書くことで憂さを晴らすこともあるでしょう。

ときにそれは、「作品の未熟さ」とはあまり関係がなかったりするようです。
肝心なことは、そうしたレビューを書く人を責められないということ、そうしたリスクを受け止めたうえで無料キャンペーンをする覚悟が必要だということです。

そして、自分にはまだその覚悟はありません。
自分の書いたものと、それを手にとる人が不幸な出会いをしてほしくない
そうした思いは誰しもあると思います。
プラス・マイナスいろいろな要素がありますが、今のところ無料キャンペーンを利用していないのはその一点に集約できるといっても過言ではありません。 
もちろん、今さらやるのはこれまでに購入していただいた方々に申し訳ない、という思いもあります。


で、何が言いたいかというと。
そんなことを考えて、しばらくなんの手も打たずにいたら、どんどん取り残されていってしまう危機感に直面しているよ、というお話。

発売週からの推移をグラフにして見れば一目瞭然。 
13-cut
具体的な冊数は伏せますが、この2週間の販売数の落ち込みは顕著です。
何より憂慮すべきなのは、上巻の販売数を下巻が追い抜いてしまっているという現実。
当然、上巻が売れなければ下巻が売れるはずがありません。 
上巻の動きが完全に止まったら、もうその先はないのです。
 
だったら、そんなときこそ上巻を無料キャンペーン! なんですが、うーん……。

ほかにちょっと考えているのは、独自にサンプルファイルを作って配ってみる、という方法。
Kindleストアの無料サンプルは自動的に頭から10%で生成されています。
しかし、KDPセレクトに登録していなければ、それ以上の内容のサンプルファイルを作って配布することは自由(のはず)です(よね?)

これまでにいただいた感想のなかで、無料サンプルを読んだことがきっかけで購入した、という声をいくつかもらえているので、そこをさらに充実させよう、という考え方。

ただこれも、独自ファイルの場合、お手持ちの端末に送って読んでもらうまでには意外と手順が煩わしい、という欠点があります。
そもそも、こんな誰も見ていないところにファイルを置いても見てもらえない、という問題も。

だったら、そんなときこそ上巻を無料キャンペーン! なんですが、うーん……。

うーん……。

弾数の少ない人間がそれをやるのは、貴重な一発を空に向けて放つようなもので、弾が切れたあとは蜂の巣にされておしまい、という気がします。
 
なので、当分はやらないと思います。
戦死したあとで形ばかり2階級特進されても嬉しくないじゃないですか。

かといって現状を打破するカードは見つかっていないんですが……。

うーん……。